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長岡を彩る代表野菜長岡巾着なす(中島巾着なす)
“盆だてがんにナスの皮の雑炊…” 長岡甚句に唄われているのがこのナスです。明治中頃に中島地区で栽培が始まり、大型の丸っこいナスで果肉がしっかりしているのが特徴で、長岡地域の肥沃な土壌が生育に合っており、長岡の夏を彩る代表的な野菜です。
特徴
- しぼった巾着袋のように縦にしわが入った丸いなす
- 直径10cm、1果は250~300g程度の大型
- 甘みが強く、肉質がしっかりして煮くずれしにくい
収穫時期
6月中旬~10月下旬
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丸かじりが一番美味しい梨なす
明治の中頃に中島地区で栽培が始まり、食べてみたら梨のようにみずみずしく甘かったのと、洋梨の形をしていたのでこの名がついたとされています。美味しい肉質を活かして、一夜漬けやからし漬けなどの漬け物として食べるのが最適。長岡では「漬けなす」と言えば、この梨なすを指します。
特徴
- 丸に近い短卵型をしている小型のなす
- 果皮、果肉ともに柔らかい
- 水分を多く含んでおり、ギュッと握りしめると果汁がしたたり落ちるほど
収穫時期
6月中旬~9月下旬
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低カロリーでどんな調味料とも相性抜群糸うり
かぼちゃの一種で、ゆでると果肉がそうめん状になるのが特徴で、「そうめんかぼちゃ」、「金糸うり」とも呼ばれています。熟した果実を切り、さっとゆがいてそうめん状になったものを、三杯酢などで食べるのが一般的。長岡地域では若い実を浅漬けやみそ漬けにして、独特のシャリシャリとした食感を楽しみます。
特徴
- 熟す前の果実は白緑色で果肉・果皮ともに柔らかい
- 成熟してくると黄白色に変わり、果皮も硬くなる
収穫時期
6月中旬~9月下旬
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「酢ずいき」はお盆に欠かせない郷土料理ずいき
里芋の一種「八頭(やつがしら)」の茎のことで、成長すると茎の長さは約130㎝ほどになります。皮をむいたものをさっとゆでて三杯酢などに漬ける「酢ずいき」が有名。さっぱりとした繊維の食感が楽しめ、お盆には欠かせない郷土料理であり夏の定番です。他にも煮物や和え物にしても美味しいです。
特徴
- 酢につけるとアントシアンという色素によって鮮やかな赤に発色
- 近年は、皮むきの必要のない品種も栽培されている
収穫時期
6月中旬~9月下旬
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まるで果物のようなジューシーさ八石なす
泉州水なすの系統で、直径7cm程度の短卵型を押しつぶしたような巾着型。八石山ふもとの小国地域で栽培されており、風の少ない盆地なので傷が付きにくく美しく育ちます。果皮はきめ細く水分を多く含み、漬物に適しています。
特徴
- 八石山麓の小国地域で栽培
- 皮は柔らかく、果皮は緻密で分を多く含む
- 栽培が難しく、1本の木に50個ほどしか実をつけない
収穫時期
6月下旬〜10月上旬 ※食べ頃は7月下旬〜8月中旬
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清涼感ある後味は、夏の味覚にぴったりゆうごう(夕顔)
インドやアフリカなどの熱帯地域原産の「ゆうがお」の実のことで、長岡弁でなまって「ゆうごう」と呼ばれるようになりました。大きいものは長さが70~80cmにもなり、細く切って干すと「かんぴょう」になります。伝統的な料理法として「ゆうごう入りくじら汁」が有名です。
特徴
- 柔らかくてクセのない味わい
- 味がしみやすい
収穫時期
7月上旬〜8月下旬
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爽やかな辛みは夏の食卓のアクセント山古志かぐらなんばん
山古志地区などで昔から、自家用野菜として栽培されており、しわの寄ったゴツゴツとした形が神楽面に似ていることから「かぐら」の名が付いたと言われています。料理法は幅広く、夏野菜(ミョウガ、きゅうり、なす)と一緒にした塩もみ、素揚げ、みそ焼き、しようゆ漬け、みそ漬けなどがあります。
特徴
- ピーマンより一回り小さいコロッと太った唐辛子
- 肉厚でピリリとした爽やかな辛み。特に辛いのは種とその周辺の白い綿部分
- 完熟すると赤く色づく
収穫時期
7月中旬〜9月下旬
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選びぬかれたこだわりの枝豆越一寸
同じく長岡野菜に認定されている「肴豆」の中から、特に小ぶりで食味と香りが優れているものを見出して、平成15年から種の選別・栽培を繰り返して誕生、平成26年に長岡野菜に認定されました。晩生品種の中では抜群の香りと甘みを併せ持ち、肴豆と同じく収穫期間が10日ほどしかない、貴重な枝豆です。
特徴
- 実が小ぶりでふさの長さは一寸(3cm)程度
- 香りと甘みが強く、薄皮のため食べやすい
- 茹で上がりの色が濃く鮮やかな緑
- 栄養価が高く低カロリー
収穫時期
10月中旬〜10月下旬
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ビールの肴はやっぱりこれ肴豆
昭和45年頃、長岡市の王番田地区の農家が、関原方面で栽培していた在来種を導入し定着させたのが始まり。昭和58年に長岡市農協がビールの肴にぴったりとして、「肴豆」と命名しました。甘みと風味が強く、肴豆を茄でていると隣の家まで香りが届くと言われるほどです。
特徴
- 晩生の枝豆で、稲刈り後のわずかな期間のみ収穫
- 非常に強い甘みと風味
- さやに生えている毛は白く、やや長い青豆
収穫時期
9月下旬〜10日間程度
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郷土料理「のっぺ」の主役里芋
長岡地域内で幅広く栽培されており、主に「土垂れ(どたれ)」や「大和早生(やまとわせ)」などの品種が栽培されています。「土垂れ」は大和早生などの一般品種に比べて形が長細く、ぬめりが強いのが特徴。長岡地域の里芋はぬめりが強く甘みがあり、美昧しいとの評判です。
特徴
- ぬめり、甘みが強い
- 白くきめ細やかな肉質
- 滑りのある食感
収穫時期
10月下旬〜2月末
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きめ細やかな食感に定評だるまれんこん(大口れんこん)
主に長岡市中之島地域で栽培されており、水温の高い地下水と、窒素分を多く含んだ粘土質の土壌がれんこん栽培に適していることから、全国有数の産地に成長しました。中之島の大口地区の名前を取って「大口れんこん」という商品名で出荷されています。煮崩れしにくいため、和食はもちろん洋食や中華などと、いろいろなメニューで楽しめます。
特徴
- 肉厚でシャキシャキとした歯ざわり
- 皮をむくと中が真っ白
- 先端部は特に柔らかく「やわらか芽れんこん」として人気
収穫時期
10月中旬〜4月下旬
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思いの外美味しい食用菊おもいのほか
新潟独特の食文化である花びらを食べる、薄紫色の食用菊の品種です。他産地のものに比べ色は薄いですが甘みが強く、シャキシャキ感は抜群。長岡市を中心とする中越地域では古くから「おもいのほか」が多く栽培されてきましたが、下地地域では「かきのもと」、山形県では「もってのほか」が栽培されており、それぞれ花びらの色が異なるなど品種に違いがあります。
特徴
- シャリシャリとした食感で、上品な香りと甘み
- 食用菊の中でも苦味が少なく食べやすい
- 抗酸化物質のアントシアニンや、抗炎症作用のあるサポニンが多く含まれる
収穫時期
10月中旬〜11月中旬
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越後の冬の栄養源体菜
明治初期に中国から導入した長梗白菜を体菜(たいさい)と呼び、その葉の形から「しゃくしな、ほていな」の日本名がつけられました。これが土着して「雪白体菜」「二貫匁体菜」が生まれました。新潟では「たいな」と呼ばれ、塩出しして煮る郷土料理「煮菜」として長く愛されています。
特徴
- 葉柄は長く真っ白
- 葉の基部は丸く厚みがある
- シャキシャキとした食感
収穫時期
11月中旬〜2月末
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漬け物にすると絶品長岡菜
明治初期に導入された「体菜」が、在来の菜(小松菜・野沢菜)と自然交雑した後、白茎を選び出すことによって成立したものと考えられています。体菜・小松菜・野沢菜などの品種のいいとこ取りをしたのが長岡菜です。おすすめの食べ方は漬け物。その漬け物の塩を抜いて煮菜にしても美味しく食べられます。
特徴
- 草丈が高い
- 葉は長円形で、体菜と比べると細い
- 茎は純白で太く柔らかい
収穫時期
11月中旬〜2月末
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根から葉まで余すことなく食べられる白雪こかぶ
ビニールハウスで栽培される「白鷹(はくたか)」という品種の冬のかぶ。白雪こかぶは一般的なかぶに比べ一回り小さく、真冬の寒さの中で栽培されることから、甘みときめ細やかな食感が特長です。厚めに切って軽く塩もみをし、冷蔵庫に3時間ほどおくと美味しく食べられます。
特徴
- 直径7〜9cmほどで、一般的なかぶより一回り小さめ
- 露地栽培に比べて甘くきめ細やかな食感
- 実も葉も柔らかく、火を通した料理にも最適
収穫時期
12月中旬〜1月下旬
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ぎゅっとしまった冬の味雪大根
秋に収穫すべきところを雪が降るまで畑で育てるため、どっしりとした太さとなり、たっぷりと水分を蓄えるためみずみずしく、さらに甘みも増します。サラダなど生で食べるのはもちろん、味のしみこみが良いのでぶり大根やふろふき、おでんなどの煮物にしても美味しくいただけます。
特徴
- 通常より収穫が遅いため通常の大根より太く、大きいもので1本5kg以上にもなる
- たっぷりと水分を蓄え、辛みが和らぎ甘さが引き立つ
- 断面が粗く緻密でない分、味のしみこみがよく、煮上がりが早い
収穫時期
雪が降ってから2月頃まで